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People 社員インタビュー

AIエンジニア

AI Engineer

STAFF INTERVIEW

ゲーム開発会社を経て2006年にポリフォニー・デジタル入社。『グランツーリスモ5プロローグ』以降のレース時における敵車AI開発を担当。

  • きっかけは『こんにちはマイコン』

    小学校5~6年生のころ、すがやみつる先生が描いた『こんにちはマイコン』というマンガに出会いました。プログラミングを初歩から順を追って解説する内容で、足し算ゲームのつくりかたが紹介されていて「これなら自分でゲームがつくれるかも」と思いました。

    ちょうど学校のすぐ近くに児童会館があって、そこの職員室にPC-8001mkIIが置かれていたのを見つけたので、職員さんにお願いして触らせてもらうようになりました。他に使う人がいなくて独占状態で、毎日学校が終わるとそこに通って、土日もお弁当を持ってずっと触っていました。BASICの本も買って勉強したんですが、この頃はまだちゃんと動くゲームはつくれなかったですね。

  • 大学ではAI研究室へ

    中学生になるとMSXを買ってもらって、ゲームをつくっては「BASICマガジン」や「MSXマガジン」に投稿するようになりました。何度か掲載もされて賞金をもらいました。東京の大学の工学部に進んでから新宿のゲームセンターでアルバイトを始めて、そこで最新のゲームを見るようになりました。『リッジレーサー』や『バーチャファイター2』が出た頃です。

    大学の中で「コンピュータが触れそうだな」という動機でAIの研究室を選んだところ、シリコングラフィックスのIndyが置いてあって、卒論では髪の毛をエディットするプログラムを書きました。当時はまだAIそのものにはあまり興味がなくて、インタフェースとして開発されていた人間型の知的エージェントのグラフィックの方に関心があったんです。

  • ゲーム開発会社でアーケードゲームを担当

    中学生から続く「ゲームをつくりたい」という気持ちは残っていて、就職はゲーム開発会社に決めました。入社後はアーケードのスノーボードゲームや、ガンシューティングのゲームを担当しました。アーケード版からPlayStation®2への移植もやりました。

    その後、自分から手を挙げて新しいPCゲームを立ち上げるチームに入ったのですが、残念ながらそれは世に出ることがなく終わってしまう結果に。ちょうどそのころ、先にポリフォニーに転職していた元同僚から誘われて、自分もポリフォニーに転職することになりました。

  • レースゲームのAIにとって大切なこと

    前の会社で最後にやっていた仕事が経路探索のAIだったからか、ポリフォニーでは最初からAI担当でした。ユーザーとしてレースゲームは好きでしたが、過去に開発に関わった経験はなかったですし、特にクルマに詳しいというわけでもなくペーパードライバーだったので戸惑いはありました。

    でも「グランツーリスモ」においてAIで敵車を走らせることは「クルマの挙動に則って破綻しないように運転をさせる」ということなので、基本物理学が理解できていることの方が重要でした。他のレースゲームでは敵車の走行ラインがあらかじめ決まっていて、クルマ固有の挙動は無視されていることもあるかもしれませんが「グランツーリスモ」は必ずクルマとコースの組み合わせにもとづいて、毎回AIで動かしています。とはいえ、レースの駆け引きについては計算だけでは済まないので、社内の詳しい人に質問して学びました。

     

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  • ポリフォニー・デジタルの特徴

    入社して印象的だったのは「全員がグランツーリスモをつくっている」ということでした。以前の会社では、プロジェクト単位でメンバーが分かれていて、他のプロジェクトのことは「他人事」という雰囲気があって、ひとつ終わればそれを忘れてまた新しいプロジェクトに進む、というスタイルが普通でした。

    ポリフォニーでは全員がずっと「グランツーリスモ」をつくっているわけですから、クルマの挙動も長い積み重ねがあって他には絶対に真似できないものが構築されています。あとは「こうでなければならない」という縛りが少なくて仕事がしやすいですね。

  • AIエンジニアの募集について

    入社以来、自分なりにAIの改良を重ねてきたつもりですが、新しく追加されるクルマの挙動と新しいコースの組み合わせでシチュエーションが膨大に増えていくので、絶対的な人手が足りないです。それに伴って人力でのAI開発が限界に近づいているので、将来的には機械学習の利用が必須になります。

    最近になって深層学習という機械学習手法が出てきて、ようやくAIに本当の意味での実用性が出てきました。これから間違いなく成長する分野であり、伸びしろが大きいので、今から取り組めばエンジニアとしてやりたいことが思う存分できるはずです。

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