Polyphony Digital - ポリフォニー・デジタル Polyphony Digital - ポリフォニー・デジタル

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People 社員インタビュー

パイプライン・ツールプログラマー

Pipeline Tool Programmer

STAFF INTERVIEW

大学、大学院を通じて画像処理と機械学習を学ぶ。2020年ポリフォニー・デジタル入社。ソニーAIと共同開発中のレーシングAIエージェント「Gran Turismo Sophy」の「Polyphony Digital」側コーディネーターを務める。

  • PlayStation®️Portableからファイルフォーマットや拡張子に興味を持つ

    茨城県の日立市に生まれ、ひたちなか市で育ちました。子ども時代は問題児で、友達とどんぐりを投げ合ってケガをしたり、重いものを持ちながら用水路を飛び越そうとして落っこちたりと、くだらない遊びをたくさんしていました。思い返してみると、友達との会話のネタを作ることが楽しかったんだと思います。

    中学生になると、親に買ってもらったPlayStation®️Portableを通して趣味の動画や音楽を持ち運ぶことに興味を持ち始めました。コンテンツだけではなくファイルのフォーマットや拡張子などの技術的な部分を意識し始め、そのような知識を友達と共有するのが楽しかったのを覚えています。

    高校では積極的に塾に通う生活をするようになりましたが、ここでも同様に、勉強という話題を通して友達と話をする場所が欲しかっただけなのだろう、と今では思えます。

    勉強や将来についてあまり真摯に向き合って来なかったため、大学受験の際にはさまざまな分野を受験して受かった道に進もうと思い、物理や工学、生物、建築といった学科を受験しました。そして2次試験の前日、都内の宿泊先に向かっていた大江戸線の車内で東日本大震災に遭遇しました。幸い私は怪我などありませんでしたが、この未曽有の大災害をきっかけに自分自身の将来について真剣に向き合うようになりました。

  • 「人間の顔」から「クルマ」へ

    結局、早稲田大学の先進理工学部に進学しました。応用物理を専攻し、理学を中心に学んでいましたが、プログラミングに触れないと将来が不安という感情から、研究室は画像情報処理を専門とするところを選びました。初期の研究テーマは、人の顔画像からその形状を復元するというものでした。しかし、研究を進めていく中で国際学会のレベルの高さや自分の能力の至らなさを痛感することになりました。当時はDatabaseやソースコードも少なく、自身もプログラミングの経験に非常に乏しかったため、研究の楽しさ、特に顔を対象とする研究に興味を持てなくなっていました。

    転機となったのは、国際学会に参加するためアメリカに出かけたときです。洗練されたアニメーションで知られるPixarで日本人が働いていると先輩から教えてもらい、連絡を取ってみたところその方がスタジオを案内してくださいました。帰国後、再度お会いする機会があり、研究で迷っていることをふと話してみると、翌日ポリフォニー・デジタル(PDI)へ「連行」されました(笑)。その人が、PDI出身のエンジニアリングディレクターだったのです。

    PDIでは「クルマはどうか」と提案されました。ちょうど「人の顔」に代わる修士論文のテーマを探していた時でしたし、アカデミックな知見がクルマのゲームにも活用できるか興味があるとの意見があったので背中を押されました。考えたあげく研究テーマをクルマに切り替え、クルマの形状や編集に関する研究を行っていました。

    その後、博士課程に進むタイミングで再度相談にのっていただき、ディープラーニングの時代が来ていることもあって、機械学習に挑戦していきました。しかし、論文投稿のハードルの高さと身の程を知り、アカデミックではなくビジネス分野で働きたいと考えるようになりました。分野が違うこともありましたし、ここでも再度相談させていただいたのですが、「まずはアルバイトで体験してみるのはどうか」との助言から、半年ほどアルバイトをすることになりました。開発現場での本格的なツール開発をするかたわら、ディープラーニングについての調査や解説を行い、翌年正社員として入社することになりました。

  • レーシングAIエージェントのサポートを任される

    入社後はアセットパイプラインの整備や既存プラグインの互換性の問題の解消、色データの自動ソートやマテリアル分類を行うツールの開発、データ入力を補助するアドインの開発など、さまざまなものを作っていました。アーティストを補助するツールの開発が多かったので、彼らとお話する機会も増えて嬉しかったです。そうしているうちに、Sony AIとPDIが以前から開発を進めていたレーシングAIエージェント(※のちのGran Turismo Sophy)のプロジェクトが本格的に動き出すことになり、Sony AIとPDIの橋渡し的な役割を任されました。

    その後は研究的な開発とレースゲーム的な開発をうまく取り持つような業務をこなしつつ、イベント実施のための業務の一翼を担っていました。ビジネス的な業務を担当するプロジェクトマネージャーはいましたが、プロジェクトが進行するにつれてエンジニア的な視点からの補助や管理が必要になってきたため、積極的にサポートに回りました。2021年に「RACE TOGETHER」というイベントを成功に繋げることができた経験は、自分の人生にとっての大きな礎になったと胸を張っていえます。

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  • アーティストがもっと楽になるツールを作りたい

    プログラミングのプロフェッショナルが大勢いることはPDIの大きな強みだと思います。プログラミングの相談はもちろん、技術的な悩みごともスピーディに解決できる環境はエンジニアにとって理想的で、仕事をしているだけで勉強になります。自分のスキルが上がっていくこともわかりやすく実感できます。それだけではなく、PDIには多くのアーティストが在籍しているため、ツール類を作るとすぐにフィードバックをもらうことができます。自身の開発の長所や短所を都度聞くことができるので、自信を持って開発の方向性を定めることができますし、モチベーションも持続させることができます。自分が作ったものを使ってくれている姿を見ると嬉しいです。そのように、業種関係なく会話の中で新しいものが生まれてくる環境は、モノづくりにおいてとても大切なことだと感じられるようになりました。

    個人的には、アーティストの作業を楽にしてあげるようなツールをもっとたくさん作っていきたいです。アーティストの業務はどうしても手作業が多くなってしまう上に、参照するデータも膨大です。そのような作業の負担を今までの知見を活かして少しでも解消することが今後の課題です。

  • 新機能を追加したいと考える人に来てほしい

    PDIでは新しいことに挑戦できます。「グランツーリスモ」に新しい機能を追加したいといった主体的な意志を持った人が来てくれると嬉しいです。その問いに対して自分なりの回答を持ち、それを実現するために努力を重ねてきた人なら一緒に働きたいと感じます。その努力はその人の長所へと繋がっているのではないでしょうか。

    自分の長所があるなら、その他のスキルは入社後でも磨くことができます。お互いの長所を教え合って補い合う方がずっと楽です。そして、新しく得たスキルで何ができるのかを考えることは更なるモチベーションにも繋がると思います。独自の考えをお持ちで製品に組み込んでみたい方、一緒に働いてみませんか?

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