Polyphony Digital - ポリフォニー・デジタル Polyphony Digital - ポリフォニー・デジタル

WHO WORKS HERE

People 社員インタビュー

物理エンジン開発エンジニア

Physics Engine Development Engineer

STAFF INTERVIEW

ゲーム開発会社を経て、1999年ポリフォニー・デジタル入社。『グランツーリスモ3』から開発に携わる。数値計算ライブラリ他、ドライバーや群衆などキャラクターのモーションを担当。

  • 地元の電気店の店頭が教室だった

    地元の群馬の町の小さな電気店が店頭にマイコンを並べていて、下校中の高校生がたむろってゲームやプログラミングをしていました。MZ-80シリーズとか、PC-8000シリーズとか、FM-7の時代です。当時小学校4年生か5年生だった自分も興味津々で後ろから覗いていました。

    ある日、パチンコのゲームを触っていたら急にプログラム画面になってしまって、なんとなく見よう見まねでコードの中にあるアスキーアートを変えたり、スコアと思われる箇所を書き換えてみたりしたらゲーム上にも反映されて興奮したのを覚えています。その後、高校生のお兄さんたちにBASICを教えてもらって、簡単なシューティングゲームくらいはつくれるようになりました。

  • 『バーチャファイター』の衝撃

    中学生以降は部活やら生徒会で忙しくなったのと、素晴らしい数学の先生に出会って数学の勉強が面白くなったのもあって、ほとんどコンピュータに触らなくなりました。早稲田大学の理工学部数学科に進んで上京すると、好きだったプロレスを武道館などに見に行くようになりました。

    子供の頃に初代タイガーマスクと出会って以来ずっとプロレスのファンだったのですが、大学時代に出た『バーチャファイター』にも衝撃を受けてゲームセンターによく通いましたね。プロレスや格闘技が好きな自分には、ゲーム内のキャラクターの動きが理にかなっているのがよくわかりました。

     

    article_image

  • 銀行かゲーム開発会社か

    就活で自分は何がやりたいだろう、って考えた時に「数学を使って為替の仕事ができるかもしれない」という気持ちと『バーチャファイター』を通して思い出した「子供の頃にゲームをつくっていたのが楽しかった」というふたつの気持ちがあって、銀行とゲーム会社を両方受けて、先に内定が出たほうに行こうと決めました。

    結果、最初のゲーム開発会社に就職しました。その会社で2年ほど働いたのですが、先輩が先にポリフォニーに転職して、その先輩に誘われる形で自分もポリフォニーに行きました。

  • 格闘ゲームもバイクのライダーもドライバーも、人体という意味では同じ

    最初はツール系を担当していましたが、入社して数年後のE3にバイクのデモを出すことになり、それがきっかけでライダーを担当することになりました。それからはずっとキャラクターのモーションを続けています。一般的にはモーションキャプチャをするか、アニメーターさんがモーションをつけることが多いかもしれませんが、自分はすべての動きをリアルタイムで生成しています。

    「グランツーリスモ」には膨大な数のクルマが収録されているので、ドライバーのモーションをすべてデータで持つには大きなコストがかかるからです。クルマの動きについてがクルマの仕組みをひとつずつ組み立ててシミュレートしているのを見ていますから、ドライバーの動きもクルマ固有の内装によって手の位置がここ、足がここ、というのが決まったら、そこから関節の向きがどうなって、骨や筋肉がどうなって、と組み立てます。インバースキネマティクスと呼ばれる手法です。

    骨の状態をすべて把握しているので、外力をモーションに反映させやすいという利点もあります。自分にとっては格闘ゲームもバイクのライダーもドライバーも、人体という意味では同じで、これからも突き詰めていきたい領域です。

  • ポリフォニー・デジタルの特徴

    転職してきて最初に思ったのは「とにかく能力の高い人が多い」ということでした。ひとりひとりの知識量がハンパない。一方で不満もあって、当時は仕事の意思決定がいつどこでされているのかわからなかった。でも今は社内のチャットシステムでありとあらゆる仕事のやり取りが公開されていて、知ろうと思えばいつでもわかるように変わりました。プログラマーがアーティストに意見を言うこともできるし、その逆もある。

    2011年の地震の後も、リスク分散ということで半年もたたずに福岡にもオフィスができて稼働していました。「常に会社をよくしよう」「会社として正しいことを速やかに実行しよう」という社風を強く感じます。社員の既婚率が高かったり、一度辞めても戻ってくる人が多かったりするのが、この会社の価値を示しているのではないでしょうか。

  • 物理エンジン開発エンジニアの募集について

    ゲームの物理エンジンは、限られた時間とリソースの中で計算しなければいけないし、なおかつその間にユーザーがどんな操作をしてくるか予測できないという、少し特殊な部分があります。高速で安定したプログラムと、リアルさとのバランス感覚が必要なので、ゲーム開発の経験があることは大きな武器になります。

    一方で、今パソコンではできないことが、10年後にはできるようになっているかもしれなくて、それを踏まえると、物理・数学の知識を持っていることや論文をちゃんと読める力というのはすごく重要な要素であると感じています。

    自分は数学しか知らなくてプログラミングも小学校でストップしたままでゲーム開発の仕事を始めましたから、コンピュータに関しては苦労して勉強しました。ここに入社してくる人はもちろん一定レベルの知識を持った人たちだと思いますが、さらに己を高めたいと思ったときポリフォニーは最高レベルの環境だと思いますよ。コンピュータについて質問して、社内の誰からも答えが返ってこなかったことは、一度もないですから。

PEOPLE

- 関連職種のインタビュー