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People 社員インタビュー

グラフィックスエンジニア

Graphics Engineer

STAFF INTERVIEW

学生時代はコンピュータグラフィックス・コンピュータビジョンを研究し、2014年ポリフォニー・デジタル入社。『グランツーリスモSPORT』においてポストエフェクトなどのリアルタイムレンダリングに関する実装を行う。『グランツーリスモ7』においてはグラフィックスエンジニアのリードとしてマネジメントを担うと同時に、天球シミュレーション・レンダリングの実装を中心に各種プログラムの開発を手がけている。

  • 中高時代に出会ったメガデモに衝撃を受け、グラフィックスの道を志す

    幼い頃からSFCや初代PlayStation®️でゲームを楽しんでいました。とはいっても特にインドア派のゲーム少年だったということもなく、外で遊んだりもするごく普通の子ども時代を過ごしていました。転機となったのは、中学時代に親に買ってもらったパソコンを通じて出会った「メガデモ」です。

    「メガデモ」とはリアルタイムCGを表示するPCプログラムで、当時はヨーロッパを中心に、このプログラムを作成して披露しあうという文化が盛り上がっていました。ゲーム専用機ではない、自分の手元にあるPCでもリアルタイムに美しいCGを描画できることに強い衝撃を受けたのです。この驚きを受け、ゲーム専用機のプログラミングは無理でもPCプログラミングなら自分にも挑戦できるだろうと考えるようになり、欧米の高度なプログラムを参考に、見よう見まねのプログラミングで自作したメガデモをWebに公開するようになりました。

    このようにして1日中プログラミングに取り組んだり、徹夜でチャットしたりという日々を過ごすようになりました。高校卒業後の進路も好きなプログラミングに取り組むことができる道を模索し、大学の学部ではCGレンダリングを専攻し、大学院ではコンピュータビジョンを研究しました。

  • 技術交流会、勉強会への参加、そこでの出会いを経てポリフォニー・デジタルへ

    エンジニアやプログラマの世界では技術交流会というものが一般的で、個人レベルの勉強会からCEDECのような大規模なものまで、さまざまなイベントが日々開催されています。私も大学進学後は、最初はWebで見つけた勉強会からスタートしてから大小さまざまなイベントに参加し、やがてはイベント運営のお手伝いをするようになりました。イベントへの参加で得られる新しい技術や知見はもちろん大切でしたが、興味と関心を共有できる人たちとの出会いが楽しかったのです。

    この過程で出会った友人のひとりが内村で、彼とはイベントでしばしば顔をあわせて話すようになりました。その後、大学院の卒業を控えて就職活動を意識するようになった頃に、彼がポリフォニー・デジタル(PDI)に就職していることを思い出し、私も見学に行ってみることにしました。

    自分の目で実際に見たPDIは、社員が語る言葉からとても自由な社風が感じられる会社でした。実際の就職活動では他のIT企業やゲーム会社にも応募し、内定もいただいていました。しかし最終的には「やるべき仕事をやっていればよい」という、私の大学と大学院にとても近い風土が感じられ、そしてプロダクトにしっかりとした歴史と積み重ねがあるPDIへの入社を決めました。

  • 「アーティスト」という異文化の出会い

    PDIに入社して最も衝撃を受けたことは、CGアーティスト、テクニカルアーティストとの出会いでした。物心付いて以来ずっと理系畑だけを歩み続けた私にとって、感性で絵に向き合うアーティスト、そしてその絵に対するこだわりはまさに異文化との遭遇でした。

    『グランツーリスモ7』ではアーティストの安冨と二人三脚で、空や雲といった天球のシミュレーションとレンダリングを実装しました。世界観を持っている彼と触発し合いながらプログラムを書くことは、とても刺激的な体験でした。

    振り返れば、私が初めてアーティストと共に取り組んだ仕事は『グランツーリスモSPORT』で実装されたカメラアプリの「Scapes」で、これは私がPDIへの入社後初めて担当した大きなプロジェクトでもありました。

    私が入社した2014年当時は、前年に発売した『グランツーリスモ6』のアップデートと並行して『グランツーリスモSPORT』の開発がちょうどスタートしたばかりの時期でした。だから私が「Scapes」の開発にアサインされたことは、入社から日が浅くて手が空いていたという偶然もきっかけだったのかもしれません。しかし、初めての大きなプロジェクトでアーティストと密に取り組むことができたことには、単なる偶然を超えた運命の采配を感じています。

    育ってきた背景も違えば、見ている世界も違う。そして使う言葉さえ異なるアーティストとの意思疎通は簡単なものではありません。しかし丁寧にコミュニケーションを重ねることで私が作り上げたシステムを使って、アーティストは私の想像をはるかに凌駕する絵を見せてくれる。このプロセスを繰り返すことでさらに素晴らしい絵が生み出されてゆく。この過程は、PDIに入社していなかったらとても想像できなかったであろう刺激的な体験です。

  • 予測不可能な化学反応を楽しめるか、一寸先は闇と恐れるか

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    ゲームプログラマーだけではゲームを制作することはできません。私が衝撃を受けたアーティストはもちろん、デザイナー、UX、そしてエンジニアなど、まったく異なる才能同士が作用しあって化学反応を起こすことがゲーム開発であり、この化学反応の結果は時に予測不可能なものです。

    もちろんゲーム開発には、定型的で予測可能な事柄を積み重ねてゆくことが求められる場面や職域もあります。しかし、PDIでグラフィックスエンジニアとして働くことの醍醐味は、自分とは違う感性を持った仲間との仕事を通して、自分の想像を超える体験ができることにあります。

    自分とは違う背景を持つメンバーとひとつの物を作り上げてゆく過程で、予想もできなかったような出来事に遭遇することを「一寸先は闇」と恐れるのではなく、想像を超えた体験として楽しむことができるグラフィックスエンジニア、そんな人にこそPDIはふさわしい会社なのだろうと考えます。

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